- 鮎釣りを始めたいけれど、最初の鮎竿に何を選べばいいのかわからない
- 長さや硬さ、調子の表記がメーカーごとに違い、鮎竿を比べにくい
- 入門機から買い替えるなら、どのモデルがおすすめなのか知りたい
鮎釣りの主流である友釣りとは、縄張りを持つ鮎の習性を利用し、掛けバリを付けたオトリ鮎を泳がせて、追い払おうと体当たりしてくる野鮎を掛ける日本伝統の釣り方です。友釣りでは、リールを使わない長い延べ竿である鮎竿を片手で持ち、穂先でオトリの動きを感じ取りながら操作します。
この記事では、鮎釣りにおすすめの鮎竿の選び方と、メーカー別のおすすめモデルを紹介します。初めての1本を探している人も、入門機からの買い替えを考えている人も、ぜひ参考にしてください。
鮎釣りにおすすめの竿の特徴
鮎釣りにおすすめの竿は、友釣り専用に作られた鮎竿です。友釣りはエサもルアーも使わず、オトリ鮎を野鮎の縄張りへ送り込み、追い払おうと近づいてきた野鮎をオトリの後ろに付けた掛けバリで掛ける釣り方で、竿の操作が釣果を直接左右します。
鮎釣りは、伸ばした鮎竿を1日中持ってオトリを操る釣りです。長さや硬さ、調子、重さが合わない竿を選ぶと、オトリが早く弱る、腕が疲れる、掛けた鮎を取り込めないといった失敗につながります。なお、鮎ルアー(アユイング)に使うリール付きの竿は選び方が別物のため、この記事では友釣り用の鮎竿だけを扱います。
友釣り用の鮎竿を選ぶときに、あらかじめ押さえておきたい5つの観点は以下のとおりです。
- 長さは8.5〜9mを基準に川の規模で選ぶのがおすすめ
- 硬さは汎用性の高い早瀬クラスを選ぶのがおすすめ
- 調子は操作しやすい先調子か本調子がおすすめ
- 1日持ち続けられる軽い竿がおすすめ
- 穂先の種類にも注目して選ぶ
長さは8.5〜9mを基準に川の規模で選ぶのがおすすめ
鮎竿の長さは7〜11m程度まで幅があり、最も標準的なのが9mで、8.5mも主流になりつつある長さです。長い鮎竿ほど遠くのポイントまでオトリを送り込める一方、重くなって操作に力が要るため、通う川の規模に合わせて長さを決めるのが鮎釣りの基本です。
通う川に合った長さの鮎竿を持てば、無理に竿を寝かせたり立ち位置を変えたりせずに、オトリを狙いの筋へ送り込めるのが利点です。迷ったら汎用性の高い8.5〜9mを1本目にして、支流用の短竿は2本目で足す順番が無駄のない選び方です。
硬さは汎用性の高い早瀬クラスを選ぶのがおすすめ
鮎竿の硬さ(パワー)は、掛かった鮎を引き抜く強さと、対応できる流れの強さを表します。表記はメーカーごとに異なり、ダイワは早瀬抜などのパワーランク、シマノはH2.6やH2.75といったH表示、がまかつは引抜早瀬や引抜急瀬といった区分で示しているため、他社の数字と横並びで比べることはできません。
早瀬クラスの鮎竿を基準にしておけば、解禁直後の小ぶりな鮎から盛期の良型まで1本で対応でき、鮎釣りの経験を重ねるうちに、自分の川に足りないのが硬さなのか長さなのかもはっきりしてきます。急瀬クラスを2本目に足すかどうかは、早瀬クラスで引き抜きに苦労した場面があったかどうかで判断できます。
調子は操作しやすい先調子か本調子がおすすめ
調子とは、鮎竿に負荷がかかったときにどこから曲がるかを表す言葉で、穂先寄りが曲がる先調子、中ほどから曲がる本調子、手元近くまで曲がり込む胴調子の3つが主な種類です。同じ長さと硬さの鮎竿でも、調子が違えばオトリの操作感や、鮎が掛かったときに竿が曲がって引きに耐える粘り(タメ)が変わります。
胴調子は竿全体で曲がって衝撃を受け止めるため、オトリに負担をかけにくく、掛けた大鮎とのやり取りでもよく粘ります。初めての鮎竿は先調子か本調子を選ぶとオトリを思いどおりの位置へ入れる感覚をつかみやすく、胴調子は泳がせ釣りを中心に楽しみたくなった段階で、2本目として検討するのが現実的な選び方です。
1日持ち続けられる軽い竿がおすすめ
鮎竿は伸ばした状態で片手に持ち、オトリを操作する時間が長いため、自重の軽さが疲れにくさに直結します。一般的には自重220〜240g程度が1つの目安とされ、250gを超えると持ち重りを感じやすくなります。
自重が同じでも、先端側が重い鮎竿ほど持ち重りを感じやすいため、継ぎごとのバランスまで考えて設計されたモデルが有利です。軽い鮎竿を選べば、夕方まで竿先がぶれにくく、オトリを丁寧に操作し続けられます。
穂先の種類にも注目して選ぶ
穂先は鮎竿の先端にある最も細い部分で、オトリの動きや野鮎が掛かった瞬間を手元へ伝えるパーツです。種類は大きく分けて、中空で張りのあるチューブラー、中身の詰まった細く柔らかいソリッド、金属製で感度の高いメタルトップの3つがあり、穂先が変わるとオトリへの負担や感度も変わります。
鮎釣りを始めたばかりなら、扱いやすい標準のチューブラー穂先で十分です。解禁直後の小さな鮎が多い時期やサイズのばらつく川では、柔らかい替穂先に付け替えるとオトリが弱りにくくなります。替穂先が付属する鮎竿と別売の鮎竿があるため、季節ごとに使い分けたい人は購入前に付属品の確認が欠かせません。
鮎釣りにおすすめの鮎竿8選
ここでは鮎釣りにおすすめの鮎竿を、ダイワやシマノ、がまかつなど、友釣り用の竿を手がける主要メーカー別に紹介します。最初の1本に向く入門機から、買い替えに向く中級機まで、各モデルの特徴と搭載技術、おすすめの釣り人を解説します。全長と自重は、各モデルの代表的な長さのアイテムの数値です。
入門機から中級機、大鮎対応のパワー系まで、鮎釣りで選びたいおすすめの鮎竿は以下のモデルです。
- 【ダイワ】プライム アユ
- 【ダイワ】銀影エア T
- 【シマノ】友鮎
- 【シマノ】プロセレクト FW
- 【シモツケ】BSB 支流バージョン
- 【サンテック】GENKI SP ARIUS Ⅱ
- 【がまかつ】がま鮎 パワーR
- 【がまかつ】がま鮎 フレキシア
【ダイワ】プライム アユ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | ダイワ |
| モデル名 | プライム アユ |
| 全長 | 8.0m |
| 自重 | 239g |
| 硬さ(各社表記) | 早瀬抜クラス |
ダイワの「プライム アユ」は、鮎釣りの入門用として送り出されたエントリーモデルの鮎竿で、公式には「鮎の友釣りも、鮎ルアーもこれ1本」と紹介されています。6.3mに加えて2026年2月に7.2mと8.0mが追加され、小河川から一般的な規模の川まで使える長さがそろいました。
調子は操作しやすくオトリに優しい先調子で、パワーランクは早瀬抜クラスです。初めて鮎竿を買う人や、小河川・支流での鮎釣りが中心の人におすすめで、風の強い日の予備竿にも使えます。ただし最長が8.0mのため、大河川で長さが必要な場合は9m前後のモデルを選ぶほうが釣りやすくなります。
【ダイワ】銀影エア T

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | ダイワ |
| モデル名 | 銀影エア T |
| 全長 | 9.0m |
| 自重 | 223g |
| 硬さ(各社表記) | 早瀬抜 |
ダイワの「銀影エア T」は、上位機「銀影競技T」の調子をベースに作られた万能先調子の鮎竿です。今作では継ぎ部にV-JOINTαを新たに採用し、前作よりも先端部を細径化しており、比較的石の大きな川を得意としながら、鮎のサイズやシーズンを問わず幅広い鮎釣りに対応します。
本穂先はカーボンチューブラーで、別売のSMT(スーパーメタルトップ)替穂先を足せば、シーズン初期の小型の鮎やオモリを使った泳がせ釣りにも合わせられます。入門機から買い替える中級者や、1本の鮎竿で引き釣りも泳がせ釣りもこなしたい人、石の大きな川で鮎釣りをする人におすすめです。
【シマノ】友鮎

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | シマノ |
| モデル名 | 友鮎 |
| 全長 | 8.5m |
| 自重 | 260g |
| 硬さ(各社表記) | H2.75 |
シマノの「友鮎」は、同社の鮎竿のなかで入門用に位置づけられたシリーズで、2025年に「新生トモアユ」としてモデルチェンジしました。鮎竿に求められる基本性能を底上げしたモデルで、6.0〜9.0mまで6つの長さがそろっているため、通う川の規模に合わせて鮎釣りの1本目を選べます。
初めて鮎竿を手にする初心者はもちろん、2本目の予備竿を探す経験者や、ベテランのサブの竿としてもおすすめの鮎竿です。ただし9.0mは自重285gと重めなので、1日中片手で持つ鮎釣りで軽さを優先するなら、代表アイテムの8.5m以下から選ぶと疲れにくくなります。
【シマノ】プロセレクト FW

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | シマノ |
| モデル名 | プロセレクト FW |
| 全長 | 9.0m |
| 自重 | 215g |
| 硬さ(各社表記) | H2.6 |
シマノの「プロセレクト FW」は、2026年に登場した新製品で、プロセレクトシリーズでは3代目となるFWモデルです。上位機の「スペシャル競FW」や「リミテッドプロFWベリーベスト」の流れをくむ中級機の鮎竿で、鮎釣りの泳がせ釣りから引き釣りまでオールラウンドに使える調子に仕上げられています。
入門機から軽くて感度の良い鮎竿に買い替えたい中級者や、1日中竿を持ち続けても疲れにくい鮎竿を求める人におすすめです。標準の80・85・90に加えて、パワーのあるH85・H90もラインナップされているため、大鮎の多い川や流れの強い瀬で鮎釣りをするなら、H付きのアイテムを選ぶと引き抜きに余裕が出ます。
【シモツケ】BSB 支流バージョン

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | シモツケ |
| モデル名 | BSB 支流バージョン |
| 全長 | 7.5m |
| 自重 | − |
| 硬さ(各社表記) | − |
「BSB 支流バージョン」は、釣具メーカー大橋漁具のブランド下野(SHIMOTSUKE)が手がける支流向けの鮎竿です。ベストセラーだった支流用の竿を2025年にモデルチェンジし、日本製にこだわって設計を見直したモデルで、7.0mと7.5mの2アイテムで小さな川の鮎釣りに的を絞っています。
代表アイテムの75SKは7.5mで標準自重200gと軽く、川幅の狭い支流や、木の枝が覆いかぶさる小河川で鮎釣りをする人におすすめです。本流用の長い鮎竿とは別に短い2本目を持っておきたい人にも向きますが、長さが足りないため大河川のメインの竿には適しません。
【サンテック】GENKI SP ARIUS Ⅱ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | サンテック |
| モデル名 | GENKI SP ARIUS Ⅱ |
| 全長 | 8.25m |
| 自重 | 210g |
| 硬さ(各社表記) | AR(パワーモデル) |
サンテックの「GENKI SP ARIUS Ⅱ」は、鮎竿や渓流竿を手がける同社のGENKIシリーズで、オールラウンダーとして作られたARIUSを生まれ変わらせた鮎竿です。繊細でなめらかな引き心地のTC(ライトモデル)と、パワーと粘りを高めたAR(パワーモデル)の2タイプがあり、鮎釣りのスタイルに合わせて選べます。
ARの7mと8mは片手で扱える軽さで、代表アイテムのAR 825Fも8.25mで自重210gに収まっています。8.5m前後の長さで軽く扱いやすい鮎竿を探している人や、引き釣りも泳がせ釣りも1本で楽しみたい人には、TCとARから自分の鮎釣りに合う方を選べる点でもおすすめです。
【がまかつ】がま鮎 パワーR

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | がまかつ |
| モデル名 | がま鮎 パワーR |
| 全長 | 9.0m |
| 自重 | 286g |
| 硬さ(各社表記) | 引抜早瀬 |
がまかつの「がま鮎 パワーR」は、全国的に鮎の大型化が進む近年の河川に合わせて、シリーズを通してブランクを肉厚にした大鮎対応の鮎竿です。引抜早瀬90に加えて、引抜急瀬の80・85・90・93と引抜荒瀬90の計6アイテムがあり、大鮎釣りをする川の流れに合わせて硬さと長さを選べます。
張りのあるパワー系の鮎竿ながら、掛かれば負荷に応じて曲がり込むため、大鮎が掛かる急流の川に通う人や、急流での鮎釣りに慣れていない人、大鮎釣りを新たに始めたい人の最初の1本におすすめです。代表アイテムの引抜早瀬90は自重286gと重めなので、軽さを最優先する人には向きません。
【がまかつ】がま鮎 フレキシア

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | がまかつ |
| モデル名 | がま鮎 フレキシア |
| 全長 | 9.0m |
| 自重 | 230g |
| 硬さ(各社表記) | H |
がまかつの「がま鮎 フレキシア」は、適度な張りと柔軟性をあわせ持つ細身設計の胴調子の鮎竿で、2本の替穂先でさまざまな状況に対応するよう作られています。パワーはMH・H・XHの3種類で、代表アイテムのH 90は、繊細な泳がせ釣りからオモリを使う瀬釣りまでこなすオールラウンダーです。
掛かれば細身からは想像しにくいパワーで曲がり込み、竿全体で鮎の引きを受け止めます。オトリを弱らせずに泳がせ釣りを楽しみたい人や、穂先を替えながら解禁から盛期まで1本の鮎竿で通したい中上級者、胴調子の粘りを試したい人におすすめです。
鮎竿を使うときの注意点
鮎竿の性能を鮎釣りで存分に引き出すために、竿選びとあわせて押さえておきたい注意点を解説します。仕掛けや道具、川のルール、手入れまで知っておくと、鮎竿を長く使えて、川での鮎釣りも安心して楽しめます。
鮎竿を安全に長く使うために、鮎釣りの前後で確認しておきたい注意点は以下の4つです。
- 竿に合った仕掛けと友釣りの道具をそろえる
- 遊漁券と川ごとのルールを必ず確認する
- 継ぎ目の扱いと使用後の手入れを丁寧にする
- 川底の滑りと急な増水に気をつける
竿に合った仕掛けと友釣りの道具をそろえる
鮎竿ごとにメーカーが想定する水中糸の太さを号数で示したのが「適合水中糸」です。表示より太い糸を使うと、根掛かりや大鮎とのやり取りで竿に過度な負荷がかかり破損の原因になるため、ナイロンやメタルなど素材ごとの適合範囲に収まる仕掛けを選んで鮎釣りに臨みます。
友釣りでは鮎竿のほかに、オトリ鮎を入れて川の中を運ぶ引き舟(友舟)、掛けた鮎を受け取るタモ(玉網)、川の中を歩くための鮎タビやタイツなども欠かせません。初めて鮎釣りに行く場合は、川沿いのオトリ店で仕掛けや釣り場の情報を確認しておくと、準備の漏れを防げます。
遊漁券と川ごとのルールを必ず確認する
鮎釣りができる川の多くは漁業協同組合(漁協)が管理しており、釣りをするには遊漁券の購入が必要です。解禁日や禁漁区、釣り方の制限も川ごとに定められているため、釣行前に漁協のウェブサイトやオトリ店で最新のルールを確認しておきます。
川によっては、リール付きの竿を使う鮎ルアーが禁止されている区間や、友釣り専用区が設けられている区間もあります。同じ川でも区間によって決まりが違うことがあるため、入る場所のルールを確かめてから鮎竿を伸ばすのが、鮎釣りを楽しむ釣り人のマナーです。
継ぎ目の扱いと使用後の手入れを丁寧にする
鮎竿は何本もの節を引き出して伸ばす振出竿のため、継ぎ目の扱いが竿の寿命を大きく左右します。伸ばすときは各節をまっすぐ引き出してしっかり合わせ、縮めるときは砂や水が残ったまま押し込まないようにすると、固着や節割れのトラブルを防ぎやすくなります。
鮎釣りから帰ったら、尻栓を外して鮎竿を真水で洗い、内部まで砂や汚れを落としてから、しっかり乾かして仕舞うのが長持ちのコツです。穂先は鮎竿のなかで最も細く折れやすい部分のため、保管や持ち運びの際は穂先をぶつけないよう、キャップや竿袋を使って守ります。
川底の滑りと急な増水に気をつける
鮎釣りは川の中に立ち込んでオトリを操る釣りのため、苔の付いた川底の石は滑りやすく、足元への注意が欠かせません。フェルト底などの滑りにくい鮎タビやシューズを履き、フローティングベスト(浮力のあるベスト)を身に着けて川に入るのが基本です。
上流で雨が降ると、釣り場の天気が良くても急に水位が上がることがあります。水の濁りや流れの強まりなど少しでも異変を感じたら、鮎竿をたたんで早めに岸へ上がり、鮎釣りを中断して安全を優先します。
まとめ:自分に合う鮎竿で友釣りを楽しもう
この記事では、鮎釣りにおすすめの鮎竿と、長さや硬さ、調子、重さ、穂先の種類から見た選び方を解説しました。友釣りは長い鮎竿で生きたオトリを操る釣りなので、竿選びが釣果と楽しさを大きく左右します。
自分の川とレベルに合う鮎竿を選べば、オトリの操作がぐっと楽になり、野鮎が掛かった瞬間の手応えをもっと楽しめます。お気に入りの鮎竿を手に入れて、川での鮎釣りを存分に味わってください。

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