【PENN】釣りリールの種類と違いを比較|スピニング・ベイト全機種の選び方

  • PENNの釣りリールは種類が多くて、どのシリーズを選べばいいかわからない
  • スラマーとオーソリティー、スピンフィッシャーは何が違うのか知りたい
  • 狙う魚や釣り方に合うPENNのリールとロッドはどれ?

「PENN(ペン)」は1932年にアメリカ・フィラデルフィアで創業した海釣り用リールを主力とする釣り具メーカーで、マグロやGTを狙うオフショアアングラーから堤防の釣り人まで幅広く支持される老舗の釣りリールブランドです。フルメタルボディやステンレスギアを使った頑丈な作りと、大物の走りを受け止めるドラグ性能に定評があります。

釣りリールは狙う魚や釣り方に合わないモデルを選んでしまうと、糸巻量やドラグ力が足りずに大物を取り逃したり、オーバースペックで扱いにくく感じたりします。狙った1匹を確実に取り込むためにも、PENNのリールとロッドは各モデルの性能や特徴の違いを理解して選ぶことが大切です。

本記事では、PENNの特徴や独自テクノロジーをわかりやすく解説し、現行の釣りリールとロッドを全モデル比較します。釣り方別のおすすめモデルも紹介しますので、PENNのリールやロッドが気になっている人はぜひチェックしてください。

目次

PENNとはソルトウォーターの大物釣りに特化した釣り具ブランド

PENNとは、1932年にアメリカ・フィラデルフィアで創業した海釣り用の釣りリールブランドで、マグロやGT(ロウニンアジ)、ヒラマサといった海の大物に負けない頑丈さに定評があります。ブランドのタグラインに「LET THE BATTLE BEGIN」を掲げ、大物とのファイトを前提にしたリールとロッドを作り続けています。

日本でのPENNは、オフショアのジギングやキャスティング、トローリングで使われる本格派の釣り具ブランドという位置づけです。スピニングリールとベイトリールに加え、日本の釣り事情に合わせて開発したロッドも展開している点がPENNの特徴です。

PENNの歴史・創業背景

PENNの歴史は、ドイツ出身のオットー・ヘンツェが1932年にフィラデルフィアで釣り具メーカーを設立したことに始まります。1933年に「Sea Hawk」や「Bay Side」を発売したPENNは、1936年に大物用の両軸リールとして長く使われ続ける「Senator」を世に送り出しました。

1961年にはPENN初のスピニングリール「SpinFisher 700」が登場し、1966年には最高峰リールの「International」シリーズが誕生しています。1986年には世界初のカーボンドラグ素材「HT-100」を開発し、PENNが達成したIGFA(国際ゲームフィッシュ協会)の世界記録は2004年までに1,400を超えました。

90年以上にわたって海の大物釣りの記録を支えてきた実績が、「PENNは大物に強い」という評判の裏付けになっています。「Senator」や「Spinfisher」、「International」といった伝統のシリーズ名は現行モデルにも受け継がれており、実績のあるシリーズから選べる点もPENNの釣りリールを選ぶメリットです。

PENNの特徴・強み

PENNの釣りリールは、壊れにくさと大物を止めるドラグ力を最優先にした設計が持ち味です。上位のスピニングリールはボディやサイドプレート、ローター(スプールの周りを回転して糸を巻き付けるパーツ)まで金属で作られ、ステンレスやブラス(真鍮)を削り出したギアで長時間のファイトでも巻き上げ力を保ちます。

スピニングリールにグレードに応じてIPX5〜IPX8の防水設計を採用している点も、PENNの強みです。ベイトリールにはトローリング由来のレバードラグや、ハイギアとローギアを切り替える2スピード機構が受け継がれており、深場や大型魚を相手にしたやり取りで力を発揮します。

一方で、PENNのスピニングリールはリールフット(ロッドのリールシートに固定する脚の部分)が大きく、日本国内で流通しているロッドの一部に取り付けられない事例が公式に報告されている点には注意が必要です。購入前に手持ちロッドのリールシートサイズを確認しておくと、PENNのリールを安心して使い始められます。

PENNの国内正規取扱いと日本向けロッド

日本では、Abu GarciaやBerkleyも展開するピュア・フィッシング・ジャパンがPENNの正規代理店を務めており、日本公式サイトで現行ラインナップや取扱説明書を公開しています。国内で正規に流通するPENNの釣りリールやロッドを選ぶなら、日本公式サイトに掲載されたモデルから探すのが確実です。

PENNは2018年に初の日本向けロッド「TORQUE」シリーズを発売し、2021年には日本向けのキャスティングロッドを投入しました。2024年夏に登場した現行の「PENN SLAMMER CASTING」と「PENN SLAMMER JIGGING」は、TORQUEと初代SLAMMERの流れを受け継いだ日本企画のロッドです。

スロージギング用の「PENN FATHOM SLOW JIGGING」も含め、PENNのロッドはトンジギ(ビンナガマグロを狙うジギング)やヒラマサ、カンパチ、根魚など日本のオフショアで人気の釣りに合わせて機種が組まれています。スピニング用のPENNロッドはPENNのスピニングリールを装着できるリールシートを採用しており、リールとロッドをPENNで揃えやすい点も魅力です。

PENNの機能とテクノロジー

PENNの釣りリールとロッドには、大物とのファイトで壊れにくく、ドラグで魚を止め切るための独自テクノロジーが搭載されています。PENNのリールに共通するドラグとギア、防水の技術に加え、ベイトリールの変速機構とロッドのブランク製法を解説します。

PENNの釣りリールとロッドが大物とのファイトで力を発揮する独自テクノロジーは、以下のとおりです。

  • HT-100カーボンファイバードラグワッシャー
  • シールドスラマードラグ/デュラドラグ
  • CNC Gear(CNCギア)
  • IPXシールドボディ&スプールデザイン
  • クイックシフト2スピードチェンジ
  • RCB2製法・SLC2製法

HT-100カーボンファイバードラグワッシャー

HT-100カーボンファイバードラグワッシャーは、PENNが1986年に開発して特許を申請した、世界初のカーボン製ドラグ素材です。ドラグワッシャー(ドラグの摩擦を生み出す円盤状のパーツ)に使われ、魚に糸を引き出されるときの抵抗を一定に保つ役割を担います。

ドラグは長時間のファイトで摩擦熱を持つと、焼き付きや摩耗によって滑り出しが不安定になります。PENNはカーボン繊維を素材に選ぶことで耐熱性を高め、モンスタークラスの走りに耐えて止められるドラグ素材に仕上げました。

HT-100を使ったPENNのリールは、青物やマグロのように一気に走る魚に対しても、ドラグがスムーズに糸を送り出してラインブレイクを防ぎます。HT-100の登場以降、PENNのリールでは多くのIGFA世界記録がキャッチされており、大物狙いのアングラーが信頼を置くドラグ素材と言えるでしょう。

シールドスラマードラグ/デュラドラグ

シールドスラマードラグは、PENNの大口径ドラグワッシャー「デュラドラグ」を防水構造で包み込んだドラグシステムです。ドラグ部に海水が入り込みにくいため、塩や水分による滑り出しのムラが起きにくく、常に安定したドラグ力を保ちます。

PENNは新設計でドラグまわりにベアリングを追加し、ドラグが作動し始める瞬間の動きをさらにスムーズにしました。デュラドラグ単体もPENNのレバードラグリールに使われており、激しいファイト中でも魚の引きに追随するような理想的なドラグ曲線を描くように作られています。

シールドスラマードラグを搭載したPENNのスピニングリールは、波しぶきを浴びるロックショア(磯からのルアー釣り)や、やり取りが長引くマグロ狙いでもドラグの効きが変わりにくくなります。大型魚の急な突っ込みにもドラグが引っかからずに滑り出すため、ライン切れのリスクを抑えたいアングラーにおすすめのドラグシステムです。

CNC Gear(CNCギア)

CNC Gearは、コンピューター制御の精密加工機で金属を削り出して作るPENNのギアです。CNC(コンピューター数値制御)加工によって歯形の精度が高まり、PENNのリールに優れた耐久性とスムーズな回転性をもたらします。

PENNはグレードに応じてギアの素材を変えており、上位モデルは強度の高いステンレス、中位モデルはブラス、エントリーモデルは軽量なアルミを採用しています。精密にマシンカットされたギアを剛性の高いハウジングにセットすることで、ギアのかみ合わせがずれにくくなり、パワフルな巻き上げ力につながる仕組みです。

重いジグを長時間しゃくり続けるジギングや、大物を船べりまで寄せるやり取りでは、ギアの強度が巻き心地の持続を左右します。CNC Gearを搭載したPENNのリールは、酷使する釣りでも巻き上げの滑らかさを長く保ちたいアングラーにおすすめです。

IPXシールドボディ&スプールデザイン

IPXは、電気製品などの防水性能を示す国際規格の等級で、数字が大きいほど防水性能が高くなります。PENNはスピニングリールのボディとスプールにIPX規格の防水設計を採用し、グレードに応じてIPX5〜IPX8と段階的に防水性能を高めています。

PENNの基準では、IPX5はさまざまな方向から3mの距離で水を噴射されても影響を受けないレベル、IPX6は2.5〜3mの位置から毎分100リットルの水を全方位から強く吹きつけても故障しないレベルです。最上位のIPX8は、水中に一定時間沈めても浸水せず、水面下でハンドルを回しても内部に水が入りません。

防水性能が高いPENNのリールは、波をかぶるオフショアやロックショア、雨の中の釣りでもボディ内部やドラグ部への浸水を防ぎ、ギアの腐食やドラグの不調といったトラブルを抑えられます。釣行のたびに海水を浴びる釣り方が多いアングラーほど、防水等級の高いPENNのモデルを選ぶメリットが大きくなります。

クイックシフト2スピードチェンジ

クイックシフト2スピードチェンジは、プッシュボタンを押すだけでハイギアとローギアを瞬時に切り替えられるPENNの変速機構です。ギア比(ハンドル1回転でスプールが回る回数)を状況に合わせて変えられるため、1台のベイトリールで巻き取りの速さと巻き上げの力を使い分けられます。

ジギングでは、ジグを誘うときや仕掛けを回収するときにハイギア、大物とのファイトではローギアに切り替えるのが基本的な使い方です。PENNは「FATHOM II 2speed」に独自のプル式プリセットノブも組み合わせ、ファイト中にドラグのストライクゾーン(レバーで設定する基準のドラグ位置)が不意にずれるリスクをなくしています。

水深のある海域で重いジグや大型魚を相手にするとき、ローギアに落とせば軽い力でハンドルを回せるため、疲れを抑えながら魚を浮かせられます。深場のジギングやトローリングで大物と長時間やり取りするアングラーにとって、PENNの2スピード機構は頼れる装備です。

RCB2製法・SLC2製法

RCB2製法とSLC2製法は、PENNがロッドのブランク(竿の本体となる筒状の素材)に採用している独自の製法です。どちらもカーボンとグラスを組み合わせた複合コアを芯にしており、外側を補強する繊維の種類と巻き方を変えることで、PENNはロッドの性格を作り分けています。

RCB2製法は、ロール状に巻いたカーボンとグラスの複合コアの外層を、縦方向のグラス繊維で補強する構造です。負荷をブランク全体に均一に分散し、ティップ(穂先)からエンドまでしなやかに放物線を描くパラボリックなベンドカーブを生み出します。

SLC2製法は、スパイラル状に配置したカーボンとグラスの複合コアを、縦方向のカーボン繊維で強化する構造です。インナーコアをしなやかに保ちながら外層のカーボンで張りを持たせ、高い感度と操作性を両立しています。

RCB2製法のPENNロッドは、重いジグを背負ってもロッド全体が曲がって魚の引きを受け止めるため、深場の大物とのやり取りやスロージギングで扱いやすさを発揮します。SLC2製法のPENNロッドは、大型プラグの遠投とルアー操作を両立したいオフショアキャスティングにおすすめです。

PENNのリール・ロッド全種類を比較

PENNの釣りリールとロッドの日本正規ラインナップは、スピニングリールとベイトリール(両軸リール)、ロッドの3カテゴリで構成されています。PENNの全モデルの種類と違いを、カテゴリごとの比較表とモデル詳細の順に紹介します。

各シリーズは番手(リールの大きさを表す数字で、大きいほど糸巻量やドラグ力が増える)やロッドの機種違いを展開しているため、比較表でシリーズの違いを確認してから狙う魚に合う番手や機種を選ぶのがおすすめです。なお、PENNのスピニングリールはリールフットが大きく、国内で流通しているロッドの一部に取り付けられない場合があります。

PENNの釣りリールとロッドの日本正規ラインナップを、以下のカテゴリ別に紹介します。

  • スピニングリール
  • ベイトリール(両軸リール)
  • ロッド

スピニングリール

PENNのスピニングリールは、防水等級とギア素材、ドラグシステムの組み合わせでグレードが分かれる構成です。最上位の「Authority」からエントリーの「Battle IV」まで、比較表と各モデルの詳細でPENNのスピニングリールをグレードの高い順に紹介します。

スクロールできます
モデル名 防水等級 ギア素材 ドラグシステム ベアリング(ボール+ローラー) 番手展開
Authority IPX8 ステンレス シールドスラマードラグ/デュラドラグ 12+1 3500〜10500(10番手)
Slammer IV DX IPX6 ステンレス シールドスラマードラグ/デュラドラグ 9+1 3500DX〜8500DX(6番手)
Slammer IV IPX6 ブラス シールドスラマードラグ/デュラドラグ 8+1 2500〜10500(12番手)
Spinfisher VII IPX5 ブラス HT-100 5+1 3500〜8500(6番手)
Battle IV – アルミ/ブラス HT-100 5+1 2500〜4000HS(4番手)

Authority

Authorityの製品画像

項目 内容
モデル名 Authority
防水等級 IPX8
ギア素材 ステンレス
ドラグシステム シールドスラマードラグ/デュラドラグ
番手展開 3500〜10500(10番手)

「Authority」(オーソリティー)は、PENNのスピニングリールの最上位に位置する旗艦シリーズで、世界中の過酷なソルトウォーターのビッグゲームに対応する堅牢さを備えたモデルです。3500〜10500番までHS(ハイギア仕様)を含む10番手を展開し、オフショアのキャスティングからジギングまで大物狙いの釣りを幅広くカバーします。

現行のPENNスピニングで唯一IPX8の防水性能を持ち、ボディとサイドプレート、ローターまで金属で構成されたフルメタル仕様です。ステンレス製CNCメインギアとピニオンギア、シールドスラマードラグ、12+1ベアリング、塩ガミを抑える撥水ラインローラーベアリングを搭載し、10500番では最大ドラグ力27kgに達します。

ネオプレン素材のリールバッグとスプールバンド、ハイパロン素材のハンドルノブが付属し、遠征の準備も手間がかかりません。最小番手は3500番のため、ライトゲーム向けの小型番手は用意されていません。マグロやGT、ヒラマサを狙い、波をかぶる状況でも防水性を最優先したいアングラーには、PENNの最高峰スピニングである「Authority」がおすすめです。

Slammer IV DX

Slammer IV DXの製品画像

項目 内容
モデル名 Slammer IV DX
防水等級 IPX6
ギア素材 ステンレス
ドラグシステム シールドスラマードラグ/デュラドラグ
番手展開 3500DX〜8500DX(6番手)

「Slammer IV DX」(スラマー4 DX)は、PENNの人気シリーズ「Slammer IV」をベースに、ギアとベアリング、スペアノブを格上げした上位版のスピニングリールです。2023年10月に登場し、3500DX〜8500DXの6番手を展開しています。

「Slammer IV」との違いは、メインギアとピニオンギアの素材をブラスからステンレスに変更した点と、スプール内部のボールベアリングを2個に増やした9+1ベアリングでドラグをさらに滑らかにした点です。IPX6の防水ボディやシールドスラマードラグ、撥水ラインローラーベアリングといったSlammer IV共通の強みも変わらず受け継いでいます。

滑りにくく握り込みやすいハイパロン素材(合成ゴムの一種)のスペアノブも同梱され、7500DXと8500DXは最大ドラグ力22kgに設定されています。トンジギやオフショアキャスティング、ロックショアのようにギアとドラグを酷使する釣りで、Slammer IVの扱いやすさを保ちながら耐久性を高めたいアングラーにおすすめのPENNのスピニングリールです。

Slammer IV

Slammer IVの製品画像

項目 内容
モデル名 Slammer IV
防水等級 IPX6
ギア素材 ブラス
ドラグシステム シールドスラマードラグ/デュラドラグ
番手展開 2500〜10500(12番手)

「Slammer IV」(スラマー4)は、オフショアの大物釣りに向けたPENNの代表的なスピニングリールで、2500〜10500番まで12バリエーションと、PENNのスピニングでもっとも幅広い番手展開を誇ります。ライトなショアゲームから大型青物のオフショアゲームまで、1つのシリーズの中で番手を選び分けられる点が特徴です。

IPX6のシールドボディ&スプール、シールドスラマードラグ(2500番と2500HSはHT-100ドラグ)、ブラス製CNCメインギア、8+1ベアリングを搭載しています。新設計の軽量ローターで慣性モーメント(回転の動き出しや止まりにくさを表す値)を10%低減し、最大ドラグ力は番手に応じて9〜27kgまでそろいます。

ショアジギング(岸からメタルジグを投げて青物などを狙う釣り)からオフショアキャスティングまで1つのシリーズで揃えたい人や、PENNの本格スピニングを初めて選ぶ中級者以上におすすめです。手返しを重視するならHSモデルが候補で、ギアの耐久性をさらに求めるならステンレスギアの「Slammer IV DX」が上位の選択肢になります。

Spinfisher VII

Spinfisher VIIの製品画像

項目 内容
モデル名 Spinfisher VII
防水等級 IPX5
ギア素材 ブラス
ドラグシステム HT-100
番手展開 3500〜8500(6番手)

「Spinfisher VII」(スピンフィッシャー7)は、1961年の「SpinFisher 700」から続く、PENNのスピニングリールでもっとも歴史のあるシリーズの第7世代モデルです。3500〜8500番の6番手をラインナップし、ショアからオフショアまで海釣り全般に対応します。

IPX5基準のボディとスプール、ブラス製CNCメインギア、HT-100カーボンファイバードラグワッシャー、5+1ベアリングを搭載し、100lb(糸径1mm)の太いラインもクリップできる新形状のラインクリップを備えています。ローターは5500番以下がカーボン繊維強化樹脂、6500番以上が高強度アルミ合金で、番手ごとにハンドル形状やベールリターン方式が異なる点も特徴です。

最大ドラグ力は番手に応じて7〜18kgで、堤防やサーフ、磯からのショアジギングやライトなオフショアゲームで扱いやすいバランスです。シールドスラマードラグは搭載していないため、マグロ級を本格的に狙うなら「Slammer IV」以上が適しています。防水性と頑丈さを備えた海用スピニングを堅実に選びたい人に、PENNの「Spinfisher VII」はおすすめです。

Battle IV

Battle IVの製品画像

項目 内容
モデル名 Battle IV
防水等級 –
ギア素材 アルミ/ブラス
ドラグシステム HT-100
番手展開 2500〜4000HS(4番手)

「Battle IV」(バトルフォー)は、戦闘的で洗練されたデザインをまとったPENNのバトルシリーズの第4世代で、日本公式の現行スピニングリールの中でもっともエントリー寄りのモデルです。2500番と3000番、4000番、4000HSの4番手をそろえ、PENNのリールを初めて使う人でも番手を選びやすい構成になっています。

フルメタルボディ&サイドプレートにCNCギア(2500番と3000番、4000番はアルミ、4000HSはブラス)を組み合わせ、HT-100カーボンファイバードラグワッシャーと5+1ベアリングで滑らかな巻き心地に仕上げています。PEライン(ポリエチレン繊維を編んだ強度の高い釣り糸)の使用を前提にしたブレイドレディのスーパーラインスプールも採用しました。

一方でIPX防水等級は設定されておらず、最大ドラグ力も5.4〜6.8kgと、上位シリーズとの差は防水性とドラグの強さに表れます。PENNの「Battle IV」は、堤防やサーフでのライトショアジギングやエギング(餌木でイカを狙う釣り)、ちょい投げなど、中小型の魚を中心に海釣りを楽しみたいアングラーにおすすめのエントリーモデルです。

ベイトリール(両軸リール)

PENNのベイトリール(両軸リール)は、レバードラグ(レバーの位置でドラグの強さを調整する方式)の2スピードモデルと、スタードラグ(星形のノブを回してドラグを調整する方式)の伝統モデルで得意な釣りが大きく分かれます。Made in USAの最高峰「International VI」から伝統の「Senator」シリーズまで、PENNのベイトリールをグレードの高い順に紹介します。

スクロールできます
モデル名 ドラグ方式 変速機構 ギア素材 展開サイズ 主な用途
International VI レバードラグ 2スピード ステンレス 12〜130(7番手) トローリング/ビッグゲーム
FATHOM II 2speed レバードラグ 2スピード ステンレス 10XN〜80(8番手) スロージギング/深場
FathomII Star Drag Casting Special スタードラグ なし ブロンズ/ステンレス 15SD(1型番) キャスティング/ロックショア
Senator スタードラグ なし ブロンズ/ステンレス 115L2(1型番) トローリング/底物
Special Senator スタードラグ なし ブロンズ/ステンレス 112/114/114W(3型番) トローリング/底物

International VI

International VIの製品画像

項目 内容
モデル名 International VI
ドラグ方式 レバードラグ
変速機構 2スピード
ギア素材 ステンレス
展開サイズ 12〜130(7番手)

「International VI」(インターナショナル6)は、世界中のビッグゲームで船長やアングラーから信頼を集めるPENNの最高峰リール「International」シリーズの第6世代モデルです。1932年以来PENNのリールを作り続けるフィラデルフィア工場で設計・製造されたMade in USAのリールで、12〜130の7番手をゴールドとシルバーの2色で展開しています。

ボディとサイドプレートには航空機グレードのアルミを精密に機械加工したアルマイト(表面を酸化皮膜で保護する処理)仕上げのパーツを使い、高負荷時でもステンレスギアをしっかり支えます。クイックシフト2スピードチェンジとデュラドラグを搭載し、工具1つでストライクゾーンを1〜4に変更できるヴァーサストライクストップも装備した構成です。130番の最大ドラグ力は45.4kgと、PENNの現行リールで最も大きな数値です。

カジキやマグロを狙うトローリング(船を走らせながらルアーや餌を引く釣り)など、ビッグゲームのために作られたリールで、近海の中小型魚を狙う釣りには大きすぎます。長く使い続けられるフラッグシップの両軸リールでビッグゲームに挑みたいアングラーに、PENNの「International VI」はおすすめです。

FATHOM II 2speed

FATHOM II 2speedの製品画像

項目 内容
モデル名 FATHOM II 2speed
ドラグ方式 レバードラグ
変速機構 2スピード
ギア素材 ステンレス
展開サイズ 10XN〜80(8番手)

「FATHOM II 2speed」(ファゾム2 2スピード)は、ハイギアとローギアをワンプッシュで切り替えられる、PENNのレバードラグ搭載ベイトリールです。10XN〜80の8番手に加え、15XNと25N、30、40Nには左ハンドルモデルも用意されており、利き手に合わせて選べます。

ファイト中にストライクゾーンが不意にずれないPENN独自のプル式プリセットノブ、ダイキャストワンピースのフルメタルボディ、ステンレス製のメインギアとピニオンギア(メインギアとかみ合って回転を伝える小さなギア)、デュラドラグを搭載しています。長時間の巻き取りを支える大型Tハンドルノブや、糸巻残量の1/3と2/3がわかるラインキャパシティリングも便利な装備です。

レバードラグはスタードラグより大きなドラグワッシャーを使えるため、耐熱性と耐摩耗性に優れ、ファイト中のドラグ調整やジグのフォールスピードの調整もしやすくなります。深場のスロージギングや大型魚狙いのジギング、泳がせ釣りで、細かなドラグ調整と巻き上げパワーの両方を求めるアングラーにおすすめなのがPENNの「FATHOM II 2speed」です。

FathomII Star Drag Casting Special

FathomII Star Drag Casting Specialの製品画像

項目 内容
モデル名 FathomII Star Drag Casting Special
ドラグ方式 スタードラグ
変速機構 なし
ギア素材 ブロンズ/ステンレス
展開サイズ 15SD(1型番)

「FathomII Star Drag Casting Special」は、PENNのFathomIIにスタードラグとマグネットブレーキを組み合わせ、キャスティングを可能にしたベイトリールです。展開は15SDの1型番のみで、PE5号を300m巻ける糸巻量と最大ドラグ力13.6kgを備えています。

パームサイドのサイドプレート内部に4個のマグネットを配置したマグネットブレーキは、ルアーがリリースされた瞬間から確実に効くため、向かい風で空気抵抗の大きなルアーを投げる場面でも安心です。外部のマグダイアルノブでブレーキの強弱を調整でき、キャスト中にハンドルが回ってもクラッチが入らないマニュアルON/OFFクラッチレバーも搭載しています。

スプールとスプールシャフトを分離したフリーフローティングスプールライブスピンドルが回転負荷を減らし、6+1ベアリングとHT-100ドラグワッシャー、ラインアラームも備えます。太いリーダー(PEラインの先に結ぶ擦れに強い糸)を使うロックショアゲームや、ボートからのキャスティングをベイトタックルで楽しみたいアングラーに、「FathomII Star Drag Casting Special」はおすすめです。

Senator

Senatorの製品画像

項目 内容
モデル名 Senator
ドラグ方式 スタードラグ
変速機構 なし
ギア素材 ブロンズ/ステンレス
展開サイズ 115L2(1型番)

「Senator」(セネター)は、1936年から続くPENNのロングセラー「Senator」シリーズのうち、ローギアを搭載したスタードラグのベイトリールです。世界中で両軸リールの代名詞として使われ、IGFAのワールドレコードを数多く勝ち取ってきたPENNの伝統機種にあたります。

高負荷時のフレームの歪みを防ぐステンレススチールフレームリング、HT-100ドラグワッシャーを使ったマルチディスクドラグ、マシンカットのアルマイトアルミスプール、マリングレードのブロンズドライブギヤを採用しています。型番115L2はギア比2.5:1のローギアで、PE30号を400m巻ける大容量と最大ドラグ力11kgを備え、ハンドルは長さを変えられるコンバーチブルパワーハンドルです。

ベアリングは2個とシンプルな構造で、トローリングや底物釣りのように太い糸で大物を強引に巻き上げる釣りを得意とします。2スピードのような変速機構はないため、巻き取りの速さより力強さと壊れにくさを優先したいアングラーには、PENNの伝統を受け継ぐ「Senator」がおすすめです。

Special Senator

Special Senatorの製品画像

項目 内容
モデル名 Special Senator
ドラグ方式 スタードラグ
変速機構 なし
ギア素材 ブロンズ/ステンレス
展開サイズ 112/114/114W(3型番)

「Special Senator」(スペシャルセネター)は、PENNの伝統機種であるセネターにハイスピードギアを搭載したスペシャルモデルです。112と114、114Wの3型番を展開し、スピードとパワーを兼ね備えたスタードラグのベイトリールとして、トローリングや底物釣りなど海の大物釣りに対応します。

軽量なグラファイトフレームにステンレススチールフレームリングを組み合わせ、HT-100ドラグワッシャーのマルチディスクドラグ、マシンカットのアルミスプール、マリングレードのブロンズドライブギヤを搭載しています。ギア比は112が4.0:1、114と114Wが2.9:1で、いずれも2.5:1の「Senator」より速い巻き取りが持ち味です。

112はPE5号を400m、114WはPE20号を300m巻ける仕様で、狙う魚や使う糸の太さに合わせて型番を選び分けられます。PENNのセネターの力強さに手返しの速さを加えたい人や、細めの糸を使う112からセネターシリーズを試したいアングラーにおすすめなのが「Special Senator」です。

ロッド

PENNのロッドは、オフショアキャスティングとオフショアジギング、スロージギングという釣法ごとにシリーズが分かれた日本向けのラインナップです。スピニング用のPENNロッドはPENNのスピニングリールを装着できるDPS18/20リールシートを採用しており、比較表で釣法やブランク製法の違いを確認したうえで各シリーズの詳細を紹介します。

スクロールできます
モデル名 釣法 リールタイプ 機種数 ブランク製法 主な対象魚種
PENN SLAMMER CASTING オフショアキャスティング スピニング 4機種 SLC2製法 GT/キハダマグロ等
PENN SLAMMER JIGGING オフショアジギング スピニング 4機種 RCB2製法 青物/キハダマグロ等
PENN FATHOM SLOW JIGGING スロージギング ベイト 2機種 RCB2製法 根魚/青物(深場)

PENN SLAMMER CASTING

PENN SLAMMER CASTINGの製品画像

項目 内容
モデル名 PENN SLAMMER CASTING
釣法 オフショアキャスティング
リールタイプ スピニング
機種数 4機種
ブランク製法 SLC2製法

「PENN SLAMMER CASTING」は、2021年に発売された日本向けキャスティングロッドの流れを受け継ぎ、2024年夏に登場したPENNのオフショアキャスティングロッドです。ルアー操作性重視のSLCS-71LMHとキャスト精度重視のSLCS-71M、遠投性重視のSLCS-83XH、遠投性と操作性を両立したシリーズ最強のSLCS-711XXHで構成されています。

83XHと711XXHにはSLC2製法を採用し、全機種にFuji SiCステンレスフレームガイドのオールダブルラッピングと、PENNのスピニングリールに対応するDPS18/20リールシートを組み合わせました。PE3.0〜6.0号でMax100gのルアーを扱う71LMHから、PE Max10.0号でMax300gに対応する711XXHまで、機種ごとの守備範囲がはっきり分かれています。

全機種が仕舞寸法148cm以下で複数本を収納できるセミハードケースも付属し、遠征にも持ち出しやすい仕様です。ヒラマサやブリ、カンパチに加え、30kgクラスまでのGTやキハダマグロを狙うアングラーにPENNのキャスティングロッドとしておすすめできる一方、クロマグロを含む30kg以上の魚は公式に想定されていません。

PENN SLAMMER JIGGING

PENN SLAMMER JIGGINGの製品画像

項目 内容
モデル名 PENN SLAMMER JIGGING
釣法 オフショアジギング
リールタイプ スピニング
機種数 4機種
ブランク製法 RCB2製法

「PENN SLAMMER JIGGING」は、2018年に初の日本向けロッドとして発売されたTORQUEシリーズの血統を受け継ぎ、2024年夏に登場したPENNのオフショアジギングロッドです。SLJS-63MLとSLJS-63M、SLJS-56H、SLJS-53XHをラインナップし、近海の青物から大型のハタ系、キハダマグロまでをスピニングタックルでカバーします。

63MLはジグを「点」で動かして食わせの間を作り、63Mはジグを「線」で動かして攻めの釣りを展開するモデルです。56HはMax300gのジグとPE Max8.0号に対応し、53XHはMax400gのジグとPE Max10.0号に対応して、クエやマハタなど大型のハタ系やキハダマグロ40kgクラスまで視野に入ります。

56Hと53XHにはRCB2製法を採用しており、パラボリック(ロッドが胴から大きく曲がる調子)なベンドで大物の引きを受け止めます。全機種が仕舞寸法121cm以下に収まり、近海ジギングからトンジギ、大型のハタ狙いまで1つのシリーズで機種を選び分けたいスピニングジギング派に、PENNのジギングロッドとしておすすめです。

PENN FATHOM SLOW JIGGING

PENN FATHOM SLOW JIGGINGの製品画像

項目 内容
モデル名 PENN FATHOM SLOW JIGGING
釣法 スロージギング
リールタイプ ベイト
機種数 2機種
ブランク製法 RCB2製法

「PENN FATHOM SLOW JIGGING」は、ベイトタックルで使うPENNのスロージギング(ジグをゆっくりとしたアクションで漂わせて食わせる釣り)専用ロッドで、FSLC-60MHとFSLC-60Hで構成されています。トンジギやヒラマサ、カンパチ、根魚、深海の釣りまで対応するモデルとして日本向けに企画されました。

全機種にRCB2製法を採用し、ティップからエンドまでしなやかに放物線を描くパラボリックなベンドカーブで、重いジグの負荷を受け止めます。60MHは200〜300gのジグが最も扱いやすくMax400g、60Hは250〜400gが最も扱いやすくMax500gという設定です。

グリップ脱着式で全機種が仕舞寸法126cm以下に収まり、長時間のファイトを想定したグリップ形状とFuji PTS/LOダブルナットシステムも備えます。「FATHOM II 2speed」のようなPENNのレバードラグリールと組み合わせ、深場で根魚や青物を狙いたいアングラーにおすすめのスロージギングロッドです。

PENNの釣りリール・ロッド選びのまとめ

本記事では、1932年から海の大物と向き合ってきたPENNの釣りリールとロッドについて、ブランドの特徴や独自テクノロジー、現行の全モデルの違いを解説しました。PENNのスピニングリールやベイトリール、ロッドは、いずれも壊れにくさと大物を止めるドラグ性能を軸に作られています。

スピニングリールは防水性とギア素材でグレードを選ぶのが基本で、防水最優先なら「Authority」、ギアの耐久性なら「Slammer IV DX」、番手の幅なら「Slammer IV」、堅実さなら「Spinfisher VII」、入門なら「Battle IV」が候補です。

ベイトリールは釣法で選び、トローリングなら「International VI」、深場のジギングなら「FATHOM II 2speed」、ベイトでの投げる釣りなら「FathomII Star Drag Casting Special」、伝統のスタードラグなら「Senator」と「Special Senator」が選択肢になります。PENNのロッドは、キャスティングかジギングか、スピニングかベイトかで選ぶと迷いません。

PENNのスピニングリールはリールフットが大きいため、手持ちのロッドと組み合わせる場合は購入前にリールシートのサイズを確認しておくと安心です。狙う魚と釣り方をはっきりさせてからPENNのリールとロッドを選べば、大物とのファイトを存分に楽しめます。本記事が、PENNの釣りリール選びの参考になれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

学生のころから釣りを楽しんできた経験から、複数ブランドのロッドやリールなどのタックルを実際に購入して使い比べてきました。各アイテムの機能や選び方の違いを実購入者の目線で整理し、何を基準に選べばいいか迷う方に向けて『釣りナビ』を運営しています。

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